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診療案内 Medical information

このような症状や
特徴はありませんか?

  • 片眼を閉じると
    見えにくい部位がある
  • 血縁者に
    緑内障の方がいる
  • 眼圧が高いと
    言われたことがある
  • 高齢である

緑内障とは?

緑内障は、視神経と視野に特徴的変化を有し、通常、眼圧を十分に下降させることにより視神経障害を改善もしくは抑制しうる眼の機能的構造的異常を特徴とする疾患である(日本緑内障学会緑内障診療ガイドライン)とされています。眼圧などにより視神経が障害されることで視野が少しずつ狭くなっていく疾患です。通常、進行はゆるやかで初期にはほとんど自覚症状がないのが特徴です。そのため、緑内障に気がつかない方も多く、日本では中途失明原因の第1位となっています。早期発見と継続的な治療により進行を抑えることができるため、定期的な検査と適切な管理が非常に重要です。

濁った水晶体では網膜にきれいな像が映らない

緑内障になりやすい人

緑内障の発症や進行の危険因子は様々ですが、眼圧が高いこと、高齢であること、血縁者に緑内障の方がいること、糖尿病であることなどが知られています。その中でも眼圧は緑内障に最も影響を与えています。

緑内障の種類

緑内障は大きく分けると開放隅角と閉塞隅角の2種類に分類されます。隅角とは目の中の水(房水:ぼうすい)が排出される部位を指します。開放隅角緑内障はこの隅角が広く、緑内障として一般的な病型です。一方、閉塞隅角緑内障は隅角が狭く房水が排出しにくくなることで眼圧が上昇しやすい状態となっています。
緑内障と診断された場合、自分が開放なのか閉塞であるのか知っておく必要があります。閉塞隅角緑内障では使用できない薬剤があるためです。
使用禁忌とされている薬剤を使用した場合、急性の眼圧上昇(緑内障発作)を生じる場合があり注意が必要です。当院では閉塞隅角緑内障の方に日本眼科医会発行の緑内障連絡カードをお渡しすることで、内科などの診療科と連携を図っています。内視鏡検査時や他科での内服処方時に提示していただくよう説明しています。

開放隅角緑内障:線維柱帯が目詰まりを起こし、房水が放出されにくい
開放隅角緑内障
閉塞隅角緑内障:隅角が狭くなって、房水の流れが障害されている
閉塞隅角緑内障

緑内障の主な検査

眼圧検査

眼圧は目の中(眼球)の圧力のことを指します。目の中には房水と呼ばれる透明な液が流れており、この房水の産生と排出のバランスで目の形や機能が保たれています。この房水の流れによって生じる圧力が眼圧です。日本人における正常範囲は10-20mmHgです。
測定方法は診察室で医師によって行われる点眼麻酔下のGoldmann圧平眼圧計が広く用いられています。臨床的に最も測定精度が高く、緑内障診療で標準的に使用されている方法です。検査室で行われる非接触型眼圧計は空気を目の表面に吹き付けて黒目(角膜)を変形させて眼圧を測定しますが、脈波の影響を受けやすいとされています。

視野検査

視野検査は見える範囲の検査で初期の緑内障の方は視野異常を自覚しないことが多いです。視野検査は緑内障の診断だけではなく、経過観察にも重要な検査です。検査に慣れるまで信頼性が低い場合があることから、緑内障進行の判定には最低でも5回の検査結果が必要です。新規緑内障の場合には初めの2年間は頻回に測定することが推奨されています。

眼底検査

目の奥(眼底)を直接観察する検査です。眼底には視神経や網膜など、緑内障の診断や経過観察を行ううえでとても重要な組織があります。検査方法は検眼鏡、補助レンズを用いた細隙灯顕微鏡、眼底写真撮影、眼底三次元画像解析などがあります。

治療法について

緑内障による視神経障害を治癒させる治療法は存在しないことから、唯一確実な治療は眼圧下降による視野障害の進行抑制となります。
緑内障の治療法、つまり眼圧を下降させるためには大きく分けて①点眼、②レーザー、③手術の3つの方法があります。
基本的な考え方は、必要最小限の治療と副作用で最大の眼圧下降効果を得ることです。治療は年齢、緑内障の重症度や病型、目標とする眼圧値、危険因子の有無などを考慮して、それぞれの症例毎に最適な治療方針を決める必要があります。

点眼治療

緑内障診療において、第一に選択される治療は点眼薬による眼圧下降です(ただし緑内障のタイプや眼圧値によってはすぐに手術が必要になることもあります)。現在は様々な選択肢が広がり、1日1回で強い効果を示すものや、防腐剤が入っていないため眼表面にも優しい点眼薬など多くの選択肢があります。点眼による副作用も少なからず認めるため、眼の状況によって点眼の変更や中止を提案したりすることもあります。点眼治療でも十分な眼圧下降が得られない、もしくは視野が進行してしまう場合などにレーザー治療や手術治療が必要になる場合があります。

レーザー治療

レーザー治療も眼圧下降を目的として行います。主なものとしてレーザー線維柱帯形成術(SLT)とレーザー虹彩切開術があります。
レーザー線維柱帯形成術は眼の中の房水の排出路にある線維柱帯へレーザーを照射することで房水の流れを改善し、眼圧を下降させる治療法です。
点眼麻酔を行い、隅角の半周から全周にレーザーを照射していきます。一過性に眼圧が上昇することがあるため治療の1時間後に眼圧測定を行います。その後の生活に制限はありません。
レーザー虹彩切開術は虹彩に小さな穴をレーザーによって開ける治療で、閉塞隅角の患者さんに行います。主には緑内障の発作を防ぐ目的で行います。

手術治療

緑内障手術は数多く存在しますが、そのどれもが眼圧下降を目的としており視神経障害を改善させる治療ではありません。これまでは緑内障手術といえば傷口も大きく、眼にかかる負担が大きい上、手術時間が長時間になることもあるため、長期の入院が必要となることが多い手術でした。しかし最近ではMIGS(minimally/micro invasive glaucoma surgery)と呼ばれる低侵襲の緑内障手術が普及しています。手術時間が短縮され、また眼への負担も少なく比較的安全な緑内障手術を施行することができるようになっています。多くの術式からどの手術を選択するかは、眼圧値、病期、年齢などにより異なりますので主治医とよく相談することが大切です。